学会長Blog
2008年02月07日
上眼瞼形成術のパネルディスカッション 高橋範夫先生の抄録
今日は埼玉医科大学形成外科の高橋範夫先生の抄録です。
高橋範夫先生には、上眼瞼形成術のパネリストをお願いしています。
演者 高橋範夫
所属 埼玉医科大学形成外科
演題名 加齢性眼瞼下垂に対する持続効果の高い術式の工夫
抄録
【目的】加齢性眼瞼下垂は視野の狭小、代償性前頭筋収縮による頭痛、眼精疲労などの不定愁訴、皮膚弛緩による老人性顔貌を伴い、合併するsunken eyeは東洋人では特に老けた印象を与える。加齢性眼瞼下垂に対する術式は、挙筋腱膜前転法、筋膜移植法、除皺に対しては前額リフトを行う法や眉毛下切開部切除を行う法などが報告されている。今回我々はさらに眼輪筋弁の充填、固定を行い、より良好な結果が得られたのでここに報告する。
【方法】術式は局所麻酔下で眉毛下端に沿って皮膚切開を行い皮下、眼輪筋上を剥離する。その後眼輪筋下、ROOF上を剥離し眼輪筋弁を挙上し眼窩上縁骨膜に固定する。Sunken eyeが著明な場合では余剰眼輪筋弁は切除せず、plicationを行い充填する。その結果生じた余剰皮膚を切離する。さらに瞼縁側で挙筋腱膜前転法を行う。本術式にて6ヶ月以上経過した患者18例を対象に評価を行った。
【結果】全例で瞼裂、自覚的視野の拡大がみられた。前頭筋による代償負荷が軽減され、前額の皺の改善もみられた。Sunken eyeが著明な例では改善がみられた。しかし、切除不足による上眼瞼余剰皮膚残存例もみられた。眉毛下切開の瘢痕は1~2ヶ月頃よりかなり目立たなくなった。また6ヶ月以上経過した時点での再発例や眉毛下垂はみられなかった。
【考察】皮膚弛緩の強い加齢性眼瞼下垂に対し眼輪筋弁を前頭骨膜に固定することで、最小の前頭筋による代償負荷にて瞼裂の拡大が得られる。また皮膚弛緩の再発防止、前額部の皺形成防止になり美容的にも有効である。さらに前頭筋収縮は頭痛、眼精疲労など不定愁訴の原因なので、それらにも有効である。Sunken eyeの強い場合はその部に眼輪筋弁を充填することで、長期持続的な整容的改善が可能であった。以上の点より本法は加齢性眼瞼下垂に対する術式として持続効果が高いと思われる。
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