学会長Blog
2008年02月06日
美容外科領域の再生医療のパネルディスカッション 山田先生の抄録
今日は名古屋大学医学部附属病院遺伝子再生医療センターの山田先生の抄録です。
山田先生には、美容外科領域の再生医療のパネリストをお願いしています。
演者 山田陽一
所属 名古屋大学医学部附属病院遺伝子再生医療センター
演題名 顎顔面再生医療の美容への応用
抄録
年齢を経るにしたがって、しわが増え、髪の毛は白くなり、歯が抜ける。今日の日本では50歳以上のエルダ-世代の人達が成人人口の50%以上を占める。いわゆる団塊世代以上のひとたちで、このような急速な高齢化が進む現在、豊かな老後をおくるためにも、アンチエイジング医療、とりわけ加齢とともに失うことが多くなる歯周組織、歯槽骨、歯などに対する組織再生療法に加えて、より美しく、自信を持って生活していくために、審美、美容を実践していくことは必修である。今回、顎顔面領域における口腔機能の改善に向けて、注入型による細胞を用いた再生医療の応用例に加え、審美的改善、顔面のしわ改善などに対する応用についても概説する。この再生医療は、未分化(言い換えれば若い)細胞である「幹細胞」を分離、増殖させ、再び生体にもどすことで、治癒能力を人工的に高め、組織再生を図るものである。この幹細胞は高齢になっても存在し、生体外で増やすことが容易にできるのである。欠損した組織や機能不全部分に移植することで、一種の胎児環境が出現し、“若い”細胞による組織修復や、通常の大人の体では起こらない再生現象を見ることができる。再生医療は3要素、「幹細胞」「生理活性物質」「足場」により組織構築するという概念である。われわれは幹細胞に、骨髄由来間葉系幹細胞(MSCs)を、生理活性物質、足場には自己血から調整した多血小板血漿(PRP)を応用し、ゲル化、注入型とすることにより、操作性、賦形性を付加し、複雑な形態に対しても応用可能とした。この技術は口腔領域だけではなく、整形外科、形成外科領域においても汎用性が高い技術と考えられる。また、保存(バンク)細胞を使うことで何度も利用可能である。本発表においては、臨床応用の実際のプロトコルから、臨床結果を長期予後も含めて紹介し、再生医療の有用性を示す。
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